20003月の調査「ビジネスマナー調査」


 

調査内容

現役のビジネスマンやOLが、日頃の業務の中で使っている、あるいは接しているビジネスマナーについて、どのように考えているのか。また自分自身のビジネスマナーのスキルをどのように認識しているのかなど調査。

調査対象 

福井市とその近郊の企業に勤務する男女280

調査日

平成12210日〜21

調査方法

郵送にて配布、返送

回答者数

男性計:71名、女性計:90名、不明1名 (計162名)

回答者の平均年齢

32.0

回答者の内訳

(単位:人)

 

18-24

25-29

30歳代

40歳代

50歳代

60歳代

既婚男性

0

3

15

8

9

0

35

未婚男性

9

19

5

2

0

0

35

既婚女性

2

6

15

10

2

0

35

未婚女性

21

23

10

1

0

0

55

性別または結婚不明

0

0

0

0

0

0

0

小計

32

51

45

21

11

0

160

年齢不明2名 合計162


   


 


1.難しいと感じるビジネスマナーと身につけた方法



 ビジネスマナーとひと口に言ってもさまざまなものがあるが、今までに苦労したことがある、難しいと感じるビジネスマナーは、1.接客・接待(50.6%)、2.あいさつ、敬語・言葉づかい(48.1%)、3.冠婚葬祭などの常識・礼儀(43.8%)、4.電話のかけ方、受け方(43.2%)、ビジネス文書の書き方(43.2%)、6.職場内のマナー(受命・報告、対人関係など)……となっている。(複数回答)
 冠婚葬祭はともかく、ふだんの業務でよく出くわすものほど上位に来ているといえる。


 また、社会人になったころ、回答者がビジネスマナーの知識をどのようにして得たのかというと、1.周囲の先輩や上司から(85.2%)、2.セミナーや講習会(32.1%)、3.本や雑誌、ビデオ教材などから(25.3%)……となっている。(複数回答)

 



2.電話応対について



 電話応対についてだが、自分の電話応対に自信が「ある」と答えたのは「非常に」(5.6%)、「多少は」(37.0%)、あわせて42.6%。「あまり自信がない」と回答したのは49.4%。
では、よく「電話応対でその会社の印象が決まる」というようなことが言われるが、「全くそのとおりだと思う」と回答したのは全体の59.3%。「多少はその通りだと思う」と回答したのは36.4%と、ほとんどの回答者が電話応対で与える印象の重要さを感じている結果といえる。また男性より女性のほうが、「全くそのとおりだと思う」とした回答者が多かった。(男性49.3%、女性67.8%)。





また、実際の電話の受け・かけで気をつけていることは、1.敬語や言葉づかい(56.2%)、2.的確に答える、伝える(52.5%)、3.相手の話をよく聞く(47.5%)、4.はっきりと話す(45.7%)、5.臨機応変な対応(36.4%)……などとなっている。(複数回答)






3.敬語、言葉づかいについて



  敬語や言葉づかいについてだが、自分の敬語や言葉づかいに自信が「ある」と回答したのは「非常に」(1.9%)、「多少は」(37.7%)合わせて全体の39.6%。「あまり自信がない」としたのは51.9%と半数以上にのぼった。
 では、他人の敬語の間違いや言葉づかいが気になるかどうかというと、「非常に」(15.4%)、「やや」(58.6%)合わせて「気になる」と回答したのは全体の74.0%。「あまり気にならない」としたのは19.8%との結果となった。またここでも男性より女性のほうが「気になる」とした回答者が多く(男性67.6%、女性80.0%)、電話応対で受ける会社の印象と同じく女性のほうが言葉づかいにも敏感だと言える。




また敬語や言葉づかいに対する考え方として、「きちんと正しくできて当たり前だ」としたのは全体の9.9%。「ある程度はできないと一人前とは言えない」との回答は79.6%。 

 



 4.ビジネスマナーの自己評価とスキルアップ



  自分のビジネスマナーを総合的に自己評価すると、100点満点中6170点とした回答者が最も多く32.1%。7180点としたのは17.3%。大半が50点から80点のあいだに集中する結果となった。
 また、自分の不得意なビジネスマナーについて、セミナーや講習会を受講したいかどうか聞いたところ、「費用と時間によっては受講したい」(38.3%)、「会社が費用を負担してくれたら受講したい」(20.4%)とした回答者が多く、「積極的に受講したい」との回答を合わせると、67.3%となった。
一方で、「いまさらビジネスマナーの勉強は必要ない」とした回答者も23.5%おり、年齢が上がるにつれ多くなる結果となった。
セミナーや講習会を受講したいと思っている回答者が、具体的にどのような内容について学びたいと望んでいるかというと、電話応対、接客、言葉づかい、常識・礼儀など社会人として一般的に必要なことなどが多く挙げられていた。
 





 


5.新入社員に学んできてほしいこと



もし、自分の会社に新卒の新入社員が入社してくると仮定して、どのようなマナーを予め学んで来て欲しいか聞いたところ、1.あいさつ(64.8%)、2.一般常識(55.6%)、3.敬語・言葉づかい(51.9%)、4.礼儀(46.3%)、5.社会人としてのみだしなみ(23.5%)……となった。(複数回答)






6.総括



 現役のビジネスマンやOLにとって、ビジネスマナーは毎日つきあっているものの手強い相手といえるのではないだろうか。電話や、敬語・言葉づかいに「あまり自信がない」とする回答者も多い中で、一方では電話が「会社の印象を決め」てしまうものであったり、言葉づかいが「一人前」である判断の基準のひとつとなっていたりする。
 回答者もそれを認識しているからこそ、更にビジネスマナーに関するセミナーや講習会を受講したいと考えるのではないだろうか。「難しい」と感じているビジネスマナーも、社会人としてはともかくビジネスにおいては基本的なものであるのに、つい日々の業務にまぎれておろそかになりがちになっていると考えられる。自己評価の結果を見ても、回答者が現在の自分に満足しているとはあまりいえないと思われる。
 現役のビジネスマンやOLが、ビジネスにおいてマナーを重要なものと認識しているのに、実際はなかなかスキルアップできないジレンマも垣間見える結果と言えるのではないだろうか。