この食感、まったくホルモン。
脇役素材が食卓の中央へ 平成こんにゃく維新、始まる。
まるたけ蒟蒻2代目、実はこんにゃくが苦手。
だからこそこだわった悶絶もののうまさ。
独特の食感のために、形成したものを数時間炊き上げ、手間をかけて製造しています 共同開発をした料理人・高野さんと。何度も小浜まで通って試行錯誤しました。まさか失敗作から誕生するとは! こんにゃくなのに食感はホルモン。やみつきになる一品です
 私はこんにゃく屋のせがれとして生まれました。美味しいこんにゃくにこだわる父を見て育ち、医学の道に進んだ兄に代わり2代目を継ぎました。でも正直言って、こんにゃく、苦手なのです。父直伝のこんにゃくの製法や知識も習得しましたが、いまひとつ惚れ込めない。だったら、自分が本当に美味しいと思えるこんにゃくを作ろうじゃないか。そんな想いで開発したのが「越前こんほる」です。
 表面はカリッと香ばしく、内側はぶりっと弾けるような食感。中まで味がしみてタレの絡みもいい。こんにゃくなのにまるでホルモンを食べているような感じ。だから「こんほる」。無類のこんにゃく好きの妻はもちろん、こんにゃく好きではない私でさえおかわりするほどの自信作です。
 「失敗は成功の母」とはよく言ったもので、実は「越前こんほる」も失敗した試作品がベースになっています。「簡単手軽でヘルシー、何より美味しい味付けこんにゃく」をテーマに小浜の料理人と共同開発したのですが、試作は難航。なかなかコレというものにたどり着けませんでした。タレはうまいのにこんにゃくと相性が悪い、味がしみない、食感が理想と違う……、車で3時間かけて福井と小浜を往復する日々が続きました。そんなある日、料理人が何気なく出した失敗作、「こんほる」の原型に出会ったのです。「これいけるよ、うめえ!」。何度も手が伸び、箸が止まらない。こんにゃく嫌いを忘れるほど頬ばりました。この幸運な失敗のおかげで、私は自慢の逸品を手にすることができたのです。
 父のこんにゃくが多くの人に愛されたように、この「越前こんほる」もみんなから喜ばれる品になってほしい。そして、本物のホルモンに負けない新B級グルメとして輝くことを願っています。
(語り手/社長 竹内伸洋)
まるたけ蒟蒻(有)
福井市西方2-21-11
пF0776-24-7460
営業時間:AM8:00〜PM5:00
休日:毎週日曜
HP:http://www.marutakekonnyaku.com/index.html