満開の桜の下、 親子で手をつないで歩いた あたたかな思い出を込めて。 |
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伐り倒された桜に残る小さな蕾・・・ 和雑貨としての新たないのちを。 |
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〜足羽桜香 桜染綿レースハンカチ〜 | |||||||
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2007年12月、私と3人の息子は足羽川の河原にいました。堤防の護岸工事のために一部伐採された桜から小枝を分けてもらうためです。「お母さん、この枝がお香に変わるんだね」。そう言って微笑む子どもたちの顔が、白く煙る息で霞むほど寒い日でした。 私はこの年、義母から受け継いだ文具店を『和MONOYA TAKIZAWA』にリニューアルしました。義母が守った文具店と私が本当に好きな和雑貨、両方を大事にできる店に変えよう。その気持ちを後押ししたのは、伐採される桜を分けてもらえるという知らせでした。家族の想い出とともにあった桜だからこそ、何かの形にして残したい。発信していきたい。その強い想いが、新しい店と福井市ならではの和雑貨を誕生させる力になったのです。 子どもが小さい頃は、家族でよく足羽河原に出かけたものです。その背景にはいつも、桜百選に選ばれた見事な桜並木がありました。小枝を拾いながら思い浮かぶのは、ここで息子たちと遊んだり、お弁当を食べたりした楽しい思い出ばかり。「足羽桜香」と「桜染綿レースハンカチ」は、私の幸せな記憶の結晶と言えるのかもしれませんね。 製作は世界で初めて桜だけで「さくら色」を染めることに成功した九州の染色工房に依頼。蕾をたくさんつけた桜の小枝を送り、お香とハンカチに仕上げてもらいました。お香は小枝のチップが練り込まれており、桜のほの甘い香りがやさしく広がります。ハンカチは染匠の手仕事で染めるため、一枚一枚色合いが異なり、同じものがひとつとしてありません。 家族の手から職人の手へ。人の手から生み出される、桜の和雑貨。県外へ嫁ぐ娘さんや大切な方のために、福井の思い出として贈っていただければ幸いです。 (語り手/店主 滝沢直子) |
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和MONOYA TAKIZAWA 福井市大手3-8-8 пF0776-22-2953 営業時間:AM10:00〜PM7:00(土曜はPM1:00〜PM6:00) 休日:毎週日曜 |