松尾芭蕉が「奥の細道」の旅の途中、福井の俳人洞栽を訪れたのは、元禄2年8月11日(1689年:陽暦9月24日)のことだといわれます。
この洞栽という人がどのような人物であったかはあまり知られていません。芭蕉の死後約100年後の寛政4年(1792)、福井の俳人たちが百回忌の法会を営みました。その時の記録の中に、「洞栽という人は、貧しい暮らしをしており、芭蕉が訪れたときも枕がなく、幸い近くの寺院でお堂を建てていたので、ころあいの良い木片をもらってきて芭蕉の枕とした」(祐阿『道の恩』寛政4年)と言う話があります。
このような人柄が芭蕉に気に入られたのか、芭蕉は洞栽の家に2泊したのち敦賀へと向かいます。 |
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