平成23年12月6日(火)東村新一福井市長に要望しました!

              創業支援に関する福井市への要望


  

地域経済を取り巻く環境は、国内産業の空洞化や後継者不在による廃業、景気低迷による倒産など依然として厳しい状況下にあります。また、我が国の開業率は2006年~2009年で2.1%であるのに対し、廃業率は5.6%と廃業率が開業率を上回る状況が続いております。事業所数の減少は、雇用機会の喪失や技術ノウハウを支える生産現場の劣化、国際競争力の低下など様々な影響を及ぼしており、「創業支援」は雇用の創出や新たな産業の育成のため、国及び地域において重点政策のひとつとして掲げられます。
 このような中、当所において「開業サポートセンター」を今年度より設置し、創業前の準備段階から事業が軌道に乗るまでのサポートをワンストップで行っており、今後も各支援機関、金融機関、大学、行政などとの更なる連携強化を図りながら、より一層の継続的できめ細かな支援を行って参りたいと考えております。
 福井市におかれましても、創業支援資金による金融支援をはじめ販路開拓、企業立地などハード、ソフト両面で創業者への支援施策を講じていただいておりますが、創業をこれまで以上に促進させ地域経済の活性化につなげるため、下記の点において、迅速にご対応いただきますよう特段の配慮をお願いいたします。



                      記


1)福井市創業支援資金の要件緩和

創業に関する最も大きな課題である資金調達について、福井市の制度融資「創業支援資金」を創業希望者の実情に即し、下記の要件を緩和いただきたい。

  ① 融資対象者を創業前~創業後5年未満に 

現在は創業前~1年未満に限定されており、1年以上経過の創業者は事業実績が乏しく一般の融資制度では支援されないことも予測される。業歴が浅く信用度の低い事業者の資金支援のため、融資対象者を創業後5年未満に緩和いただきたい。

 

  ② 自己資金要件を1/3以上                                      

創業前の自己資金については、借入額と同額以上となっているが、満足な自己資金を蓄積して開業することが困難な場合も多く、自己資金要件を1/3以上に引き下げていただきたい。

 

  ③ 運転資金を7年・設備資金を10年に延長                              

融資期間は現在、運転資金5年・設備資金7年となっているが、創業時の資金繰りは厳しく、月々の返済負担を軽減するため運転資金を7年に延長いただきたい。また、業種によっては規模の大きな初期投資になる場合もあり通常では10年超の長期で償還されることが多く、設備資金を10年に延長いただきたい。


※要件緩和の条件として、福井商工会議所に設ける各専門家で組織する審査会において支援決定を受けた者に限ることとし、福井商工会議所の継続的(5年間)経営アドバイスを必要とすることとしたい。

 

2)販路開拓・販売促進費用の一部補助

アンケート調査では事業者の約半数が創業前の目標売上を達成しておらず、事業のスタート時に必要とされる販売促進費、広告宣伝費に多くの費用をかけられない事業者も少なくない。福井市では、「起業家セットメニュー」として商業・近隣商業地域を対象に家賃や広告宣伝費の一部補助を行っているが、上記創業支援資金の要件緩和条件である審査会で支援決定を受けた者については、市内のエリアを問わず販路開拓・販売促進費用の一部補助(最大30万円)をお願いしたい。

 

3)ネットワーク拡大のための交流会開催支援

創業意欲はあるが事業運営に不安や課題を抱える創業希望者を対象に、創業への意識を高め、ネットワーク拡大を図るため、当所「開業サポートセンター」にて創業交流会を開催予定であるが、この交流会事業の補助をお願いしたい。

 

4)ビジネスプランコンテストの拡充

福井市が実施する「福井発!ビジネスプランコンテスト」は、受賞をきっかけに行政のバックアップや県内企業との提携により開業に至ったケースもあり、創業者の掘り起こしと事業化への支援に一定の成果をあげている。このコンテストに経営者や金融機関、支援機関などの関係者が参加し、プランに賛同する金融機関からの融資、経営者からの業務提携やアイデアの提供などビジネス商談の場として活用することも考えられる。更なる創業促進のため、このようなビジネスプランコンテストの拡充強化をお願いしたい。


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