福井県賃金情報

コラム

同一労働同一賃金について再確認!


2018.12.25

働き方改革関連法のポイントについて、今回最後となる3回目では「同一労働同一賃金」を解説します。

同一労働同一賃金の考え方

同一労働同一賃金とは、「企業内で、職務の内容が同一であれば、同じ賃金にしなさい」という考え方です。
この項目でのポイントは次の3点に集約されます。

①不合理な待遇差とは

企業内で、職務内容と責任の程度、職務内容・配置の変更範囲が同一であるにもかかわらず、正社員か非正規社員等の理
由で賃金等の待遇差をつけてはいけないということです。
例えば、パートタイムや有期雇用の労働者を雇用する場合、基本給や賞与、役職手当、食事手当、福利厚生、教育訓練等
個々の待遇ごとに、正社員との均等・均衡待遇が細かく、明確化されました。
また派遣労働者の場合も、派遣先企業の労働者間における不合理な待遇の相違が禁止されました。

②労働者に対する待遇の説明義務

今回の法改正では、経営者はパートタイム・有期雇用・派遣労働者に対して、説明しなければならない内容がそれぞれ定め
られました。
先ず、パートタイム・有期雇用・派遣労働者から正規雇用労働者と賃金や福利厚生、教育訓練等待遇差の内容・理由等につ
いて説明を求められた場合、これに応えることが義務付けられました。
更に、有期雇用労働者に対しては、本人の待遇内容や待遇決定に際してなどの考慮事項に関する説明についても義務付けら
れました。
また、当然、パートタイム・有期雇用・派遣労働者が待遇差の内容・理由の説明を求めた場合の不利益な取り扱いも禁止されました。

③施行は2020年4月1日から

中小企業は2021年4月1日から、大企業は2020年4月1日から施行されます。

同一労働同一賃金のまとめ

同一労働同一賃金では、①各報酬項目が何を根拠として何に支払われているのか、②賃金の支給対象者である正社員と短時間・有期雇用労働者等の間にある差異とは何か、この2点を明らかにする必要があります。
また、同一労働同一賃金に見直す方向性としては、①報酬制度を見直す方法、②業務分担・役割分担を見直す方法の2つが
考えられ、実際には、この両面からの検討が必要になると考えられます。