整備新幹線と財政問題
新幹線建設は、地域エゴでしょうか? そうではありません。
■東海道新幹線をはじめこれまでの新幹線は、国家プロジェクトとして全額、国の負担により整備されています。
しかし、北陸新幹線は、今日の厳しい財政事情下、あえて、地域負担を覚悟しながら建設促進に取り組んでいるのです。(全国新幹線鉄道整備法改正、平成9年5月)
■内需拡大をはじめ、経済効果の高い北陸新幹線建設プロジェクトを推進し、将来にすばらしい財産を残すことは、財政構造改革の目的に沿っています。
■すでに新幹線が開通している地域と未整備の地域のその後の発展をみますと、隔世の感があります。それほどまでに地域振興に果たす役割は大きいのです。
また、北陸新幹線の建設は、日本海国土軸の中枢地域を形成するものであり、昭和48年以来、永年の北陸新幹線沿線地域の願いであります。
■北陸新幹線の建設が、新たな赤字をもたらす心配はありません。
北陸新幹線は、北陸まで延伸されれば十分な利用が見込まれ、運輸省が収支決算基準としている、1日1万人を大きく上回ります。このことから、新たな赤字をもらたすことはありません。
新幹線の開業効果
東海道・山陽新幹線
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約1.2倍(年率2.8%増)
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東北新幹線
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約1.6倍(年率5.9%増)
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上越新幹線
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約1.6倍(年率6.2%増)
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■整備新幹線の平成9年度政府予算(概算要求)は1,735億円となっています。このうち、公共事業関係費は340億円(国の公共事業関係費9兆8,462億円の0.3%にすぎません)であり、残りは既設新幹線譲渡収入、貸付料、地方公共団体の負担となっています。
またJRの負担は受益の範囲内と明記されており「第2の国鉄」をつくる等の批判はあたっていません。
北陸新幹線の経済効果
■北陸新幹線は、東京・大阪2大都市圏を結び、その沿線には東海道新幹線沿線の約9割に相当する約4,000万人の人口が集中しており、あらゆる面で交流の活発化が生まれます。
●新幹線の運転開始によって、「輸送時間の短縮」「輸送の信頼性の向上」「輸送費用の変化」「快適性の向上」が図られ、沿線地域に様々な効果をもたらします。
●産業面においては、業務活動の広域化、効率化により、商取引機会が増大するとともに、時間コスト、情報コストの低減により、産業立地条件が向上します。
●時間短縮により、観光資源の価値が増加し、文化・レジャー活動が活発になり、観光客が増加することになり地域の活性化が促進されます。
●地域交通網の整備が進み、駅周辺地域及び沿線地域の利便性の向上により定住圏としての魅力が向上し、人々の行動圏が増大することになります。
●新たな雇用機会の創出、所得水準の向上をもたらします。